「世界の安全な都市ランキング」のようなものが発表されているが、あれはまったく意味がないように思われる。
いくつかの納得できるデータを元にランキングしたものだが、そこには精神面のことはまったく出てこない。
表面上の住みやすさや暮らしやすさ、表面上の安全などを数値にし、ランキングしているのみだ。
東京が精神的にもっとも追い詰められた都市であることは、自分自身の経験からもわかる。
すでに日本と東京を離れて12年になるが、出国する前の日本も今と同じくらい列車の
人身事故
が多かった。
いまも毎日のように人身事故続きである。
日本はちっとも変わっていない。
東京もちっとも変わっていない。
人身事故は毎週月曜日の朝9時頃が最も多い。
その理由は知識人ならお分かりだろう。
私自身は性指向を抑圧されて国を出てきた身の上だが、性指向で悩んでいない日本人でさえ、(普通に家庭を持って幸せそうに暮らしている日本人でさえ)、人生の解決札が見つからず死に急いでいるのが東京だ。
徹底的な抑圧とコントロール、逃げられない環境、一日のほとんどの時間を労働と焦燥感の中で生きる日本の東京人を知らない人間が、表面的な数値や誰にも理解できてしまう整然さを安全と勘違いしてリストに載せているだけだ。
従って、こんな安全な都市ランキングは無効といってもいい。
人間の内面や本当の苦悩を無視してランキングを発表しても響かないのである。
すでに世界一の自殺率を誇っている東京、住みにくさ世界一ではないか。
学生時代から22年住んだ東京に憎しみはない。
むしろ良き青春時代の思い出が残る良い街だと思っている。
だが、人身事故世界一の都市は、人々の心の安全を確保できているとは思えない。
東京とはかくして精神的にはとても不安定で危うい街なのである。
少なくとも私はもうこの人生において二度と東京に住みたくない・
そう思って去ったのは私だけではないだろう。