タイ語、話せてもダメなのか?

タイに住む外国人、特に日本人にとってタイ語能力は必要なものか?

外国の言葉が好きで、外国語学部に行き、語学教師でもあった私は

英仏伊西からアラビア、中国語までそれぞれひと通り勉強させられたが

タイ語だけには手をつけなかった

タイは自分の中ではもっとも嫌いな国だったし

一生行く機会は無いだろうと思っていた

ところが、人生とは皮肉なもので

天は私を最も嫌いで興味のない国、タイへ送った

しかも、もうそこに4年以上も住まわされている

なんという悲劇であろう

ところで、この国に長く住んでいると在住者には

タイ語が達者な人とそうでない人がいることがわかる

もっともタイ語なんて話したくもない言語だと思っていたので

しゃべれる人を羨ましいなどとは思ったことは一度もなかったし

自分はタイ語とは無縁で構わない、と考えていた

バンコクの高級ホテルや高級レストランでタイ語をぺらぺらしゃべっていると

現地人と思われ、思いっきりサービスの質を落とされる

という話も聞いたことがあったし

百姓出身の自分は田舎臭いを顔をしているから

きっとタイ語なんか話すとよけい田舎者扱いされると思っていたのだ

だが、こちらで生活をするとなると話は別だった

特に商売上、現地語は必須である

金が絡む以上、売る立場のときも買う立場のときも

「なぜそうなのか」を明確に説明しなければ相手は納得しない

お客さんにあてがうボーイだってそうだ

条件交渉をキチンとしておかないと

お客さんはトラブルに巻き込まれるし

ボーイも金を得ることはできない

そういった意味では

タイで生活するには

タイ語能力は必須であるように思えなくもない

だが、よく観察してみると

在住者のなかには

タイ語がしゃべれなくても

毎日、ものすごく楽しそうに暮らしている人もいる

たくさんタイ人連日意のままに動かしている豪傑もいる

でも、その人はタイ語はしゃべっていない

タイ語に代わる能力もしくは知恵が背後にあるらしい

この違いは何だ???

タイ語というのは一つの言語であり

しゃべれる、聞ける、書ける、読める、はこちらで暮らす以上

必要なことだが

それは相手を理解ための道具にはなっても

コミュニケーションの能力ではないのだ!!!

コミュニケーション能力に長けている人というのはどんな人か?

その人は、【物事の道理をわきまえている人】である。

というのは人間の行動は世界どこでもだいたい同じだからである

人間の生活において、必要なものはほぼ決まっている

欲望も同じようなものだ

違いはそれを実現する手段だ

コミュニケーション能力は【人を思いやる力】だとも言える

例えば、汗ばむような日差しの下、事務所まで歩いてきた人を思い

その人に水をいっぱい差し出すような行為のできる人

例えば、相手の顔や服装を見て

その人がどんな状態かを察し

必要な措置を取り、適切な支援を与えられる人

がコミュニケーション能力のある人なのかもしれない。

雇い主なら、いつのは明るいドライバーがこのごろ暗い顔をしていると思ったら何かあったと思うのが普通だ

できるだけそのドライバーに仕事を廻してやり(つまり経済的な問題があるかどうかを見極め)

たわいもない話を聞いてやり (心を開けるような状況を作ってやり)

ひまな時には食事に誘ってやり 

最終的には相手が何に捕らわれているかを見抜くことが肝心だ

コミュニケーション能力とは

【どうしたらその人の運勢が良くなるかを考える能力】だと思う

もっと分かりやすく言えば、周りの人間が悩んでいることや、欲しているものを 察する能力がコミュニケーション能力かもしれない

一方、わがままで自己重要感が足りてない人間は どんなにタイ語ができてもコミュニケーションを取ることはできないのだと思う

ある時、在住の長い タイ語の上手な駐在員がいたが

いつも聞かされたのは ”タイ人はわからない” という愚痴ばかりだった

タイ人が理解できないのではない

タイ人を理解しようとしないのだ

その人は

日本の本社から

有能とみなされる給料をもらっているらしく

自分はタイ人よりレベルの高い人間だと勘違いしているのだろう

タイ人を理解しようとする姿勢の前に

そもそもタイに照準を合わせようという気持ちがないのだ

つまり、その人はタイ語能力はあっても

タイ人を根っから馬鹿にしていて

タイ人を理解しようとする姿勢がないのだ

給料が高いのはその人の語学力という側面が評価されているからであって

その人の総合力に対して企業が金を払っているわけではないことを

その人は知るべきなのである

そんなことだから現地人を理解できないのだ

有能なセールスマンはあまりしゃべらないで

お客さんに話をさせるという

タイ人を本当に理解したいなら

ちょっと面倒くさいと思っても

タイ人と一緒の時間を過ごすべきなのだ

タイ人の話を聞いてみるべきなのだ

タイ人の頭をかぶって

タイ人の痛みに近づいてみるべきなのだ

そのためにはタイ語ができることよりも

なぜ、相手がそんな行動を取るのだろうか

という相手に視線に立った見方が必要になってくるのである

そうなると

★★★タイ語なんてしゃべれなくてもタイでは楽しく暮らせる★★★

そう言いたいところだが

やはりここは他人の国だ

最低限の礼儀として

あいさつや感謝の言葉、かわいらしくお願いする言葉などは

覚えておいたほうがいいだろう

次回は効果的なタイ語の覚え方について書いてみたい

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