久しぶりに帰国した日本は新緑のさわやかな季節であった
お世話になっているお客様が関空まで迎えにきてくれた
なんと有難いことか
鮮やかな緑、きれいに舗装された道、親切な人々、言葉が通じる便利さ、食べ物はみな口に合うものばかり、安全、快適、正確、迅速、そんな言葉が浮かぶ
どうしてオレはこんな素晴しい国を出てしまったのだろう
最初の3日間はそんなこを考えていた・・・
しかし、やがて街を歩いていて疲れてきた
押し寄せる人の波、黙々と駅へ向かう人の群れ、
次々とやってくる電車、てきぱきとしたレジ係
ハイテク製品に囲まれ、セレブな生活を楽しみながらも
彼らの表情には明るいものがひとつもない
不思議とそんなことが不快に思えてきた
なんか完璧すぎて、息がつまりそうだ!
きれいな家に住みながら、高い紅茶を飲んでも
外の景色は殺風景な看板と建物だけ
微笑む人もいない
まるで監獄のようだ!
いくら高い紅茶を買ってきても
浜辺を見ながらバルコニーで飲むのと
コンクリートに囲まれたマンションの中で飲むのでは
味はちがうような気がする
早くタイに戻りたい
パタヤーに戻りたい
その3日後、オレはやっぱり
この国を出てしまった
ゴメンね、日本
もう、オレはここでは暮らせないみたい・・・